希少な特選ぶどうを収穫するまでの年間作業
12月~2月:剪定作業

その他 | 苗木の植つけ、防寒対策、剪定した枝の処理、防獣対策の柵、棚の補強修繕 |
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12月~2月剪定をすることで | 樹勢を強く保ち、全ての枝に十分な養分が行き渡るようにします。そして大粒で甘くて美味しいぶどうへと繋がります。 |
2月〜3月:粗皮はぎ、誘引作業、芽傷処理

気温の上昇とともに、木が目覚め養水分を吸い上げる時期になります。
品種や木により発芽しにくいぶどうは、芽傷処理を行います。
また、針金に枝を固定していく「誘引」も行います。
どの位置に配置するかで、枝の勢いも変わりますので、全体の枝にしっかり養分が行くように枝を配置します。
また、新しく伸びる枝のことを考え、スペースを確保しつつバランスよく配置します。
枝が多いと感じたら、誘引しながら仕上げていきます。
また木の皮の中など、害虫被害を防ぐために木の皮をむきます。
虫の住処を作らないことで、減農薬栽培が可能になります。
その他 | 苗づくり、棚修繕、草刈り、潅水等。 |
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誘引、芽傷をすることで | 芽揃い良く発芽させ、全ての枝にバランスよく養分が行き渡るようにします。 |
4月:芽欠き作業

4月になると芽が出てきます。勢いの強すぎる芽や一箇所に2つある芽(副芽)を、欠いていく作業を行います。
一つの芽から”主芽と副芽”の二つの芽が出まして、副芽は全て欠き取ります。
ぶどうはこの芽から伸びる枝に花が着いていて、ぶどうになります。いかに芽揃いを良くするかで、開花時期を揃えることができます。
小さい蕾が見え始めた頃の欠いた芽は、天ぷらにして食べます。苦みもなく、サクッとした葉とモチっとした蕾が美味しいです。
その他 | 棚の修繕、草刈り、潅水等。 |
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4月:芽欠きをすることで | それぞれの芽の伸びを強くさせます。全体の芽の生育を揃えることで、品質の揃ったぶどうになります。 |
5月:新梢の誘引、摘穂

この時期、枝はぐんぐん伸びます。伸びた枝を針金に固定する誘引を行います。
伸びている枝から順に行うことで、枝の伸びる勢いを抑えバランスを調整します。
伸びる方向を考え、日当たりが悪くならないよう配置します。
また、1つの枝に2つの花穂がついているので、1つにし副穂も落としておきます。
その後、開花初めに「花穂の整形」を行います。
たくさんついている花蕾を、穂の先端を3~4cm残し切っていきます。
その他 | 芽欠き、予備花穂整形、接木(苗づくり)、草刈り、栄養剤散布、潅水等。 |
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5月:新梢の誘引、摘穂をすることで | ぐんぐん伸ばした後に、誘因で枝の伸びを抑え、徐々に流れる栄養が房に切り替わるように促します。 |
6月:花穂整形、ジベレリン処理、摘粒

花穂整形は、満開を過ぎてしまうと実止まりが悪くなり、形の良いぶどうが出来なくなります。
そのため、満開までに3~4cmの大きさに揃え花穂整形をします。
そして満開を過ぎたら1回目のジベレリンを処理します。
品種にもよりますが、2回ジベレリンを行います。1回目は「種無し」と「肥大促進」を目的に行います。
1回目処理後、3日ほど経つと粒が大きくなってきます。良い房だけを残し、多い房は摘房して数を制限します。
その後たくさんついている粒を間引く「摘粒」を行います。
粒が多いと小粒だったり、粒同士が押し合って割れてしまうので、収穫時の粒をイメージしながら、
形良く十分な隙間ができるように粒を間引きます。
房を育てるというよりは、一粒一粒を育てるという考えで栽培しております。
そのため、徹底して粒を抜いていき、形よく大粒のぶどうに仕上げます。
その他 | 摘心、新梢管理、摘房、傘かけ、草刈り、栄養剤散布、潅水等。 |
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6月:花穂整形、摘粒をすることで | 形が良い、大粒の美味しいぶどうに育てます。余分な粒は徹底的に摘粒し、残った粒に最大限の栄養が行き渡るようにします。 |
7月:摘粒、袋掛け

7月初め頃までに全ての房の摘粒を終わらせます。その後、全ての房に袋を掛けていきます。
袋を掛けることで、病害虫の被害を防ぐことができます。
袋を掛けるに前に「粒が多くないか」最終チェックをします。
一同、この意識を徹底しているため、大粒で形の良いぶどうに仕上がります。
品種によりますが、約1か月半~3ヵ月の間、袋の中で大事に守られ育ちます。
袋を掛けるときには、「思わず笑顔になるような美味しさになるように」そんな願いも込めて。
そして、日光で袋の中が高温になり「日焼け」となってしまうため、遮光性の傘を掛け、大事な粒を守ります。
その他 | 新梢管理、摘房、日焼け防止傘かけ、草刈り、栄養剤散布等。 |
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7月:摘粒、袋掛けをすることで | 形が良く大粒で甘く美味しいぶどうになります。全ての房を何度も手入れすることで特選品として出せるぶどうになります。 |
8月:徐袋、反射シート敷き

この時期は糖度上昇していき、色づきが進み、収穫までもう少しとなります。
私たちでは、全ての房に袋を掛けますが、収穫前には、全ての袋をとります。
袋をとった時に、傷んでいる粒やパック品の房は摘房し、ビニールの傘を掛け雨に濡れないようにします。
特に赤色系ぶどうでは、色づきを良くするため反射シートも敷きます。
ぶどうの味を決める大事な時期になります。「最高に美味しい」のためにできることは全て行います。
甲州の豊かな自然の中で、美味しい空気に囲まれ、ミネラル豊富な水、土、たっぷりの太陽を浴びた「自然からの贈り物」です。
私たちのぶどうは、甲州の大自然が生みの親です。”自然な香り”、”自然な味”を込めてお届けします。
その他 | 傘掛け、新梢管理、草刈り、栄養剤散布、潅水等。 |
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8月:徐袋、反射シート敷きをすることで | 色づきを良くするとともに、最高の美味しさへ仕上げていきます。 |
9月~10月:収穫、出荷

一番早い品種でも、8月下旬頃からの収穫になります。日に日に、糖度の上昇し酸味が抜けていきます。
私たちは、一番良いタイミングで収穫するようにしています。
酸味が抜けてくるということは、ぶどうが傷みやすくなるということです。傷みのぶどうは出荷できないのでロスになります。
ここまで来たら早く収穫して少しでもロスを減らしたいと多くの農家は考えます。当然のことです。
ぶどうを収穫するまでに膨大な作業があって、天候に左右されようやく収穫になるわけです。せっかく良いぶどうに育っても、
収穫遅れは病害虫の被害や鳥の被害でロスが一気に増えます。収穫出荷しなければ価値はないのです。
しかし私どもでは、リスク覚悟でギリギリまで木に成らした樹上完熟ぶどうにこだわります。
強い甘さで口いっぱいに広がる旨味がある”完熟ぶどうは別格”なのです。
そして収穫を始める前には何度も糖度検査と試食を行い、最も良いタイミングで収穫を始めます。
また気温が高いときの収穫はぶどうの温度も上がっているため、収穫後の日持ちが悪くなってしまいます。
そのため、収穫は早朝にしか行いません。
ここまで徹底管理を行っておりますが、特選品として出荷できるぶどうは、わずか10%以下のため希少なのです。
数量限定ですが少しでも多くの方へ届けたいと考えています。「思わず笑顔になるように」と願いを込めて。
その他 | 徐袋、草刈り、夏季剪定等。 |
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9月~10月:収穫、出荷 | こだわり抜いた希少な特選ぶどうを、全国各地へ朝採り発送致します。 |
10~11月:元肥、土づくり

収穫後には、すぐに来年に向けての作業を行います。その一つが土作りです。
堆肥や有機物などを与え、物理性を改善すると同時に微生物を活性化させます。
微生物豊富な土は、根も養分吸収が良く、なにより良いぶどうを収穫することができます。
化学肥料は一切使用せず、自然にあるものを与えることで、微生物が増えエネルギーに溢れた土になると考えます。
微生物による有機物の分解の際に生成される腐植酸を大事にします。
腐食酸は栽培過程で消耗していくので、この時期に有機物をしっかり与えます。
土作りをどうするかで、ぶどうの出来は大きく変わります。
私たちは独自で配合する堆肥で、最高の美味しさに育てます。